7月に入って、毎日どんよりとした空模様。
いわゆる「蝦夷梅雨」が、ここ函館にも訪れたのでしょうか。
今朝の空は、まるで地面に落ちてくるのではないかと思うほど低く、
五稜郭タワーも霞んでいて、ユーミンの『ベルベット・イースター』の世界をそのまま映したような幻想的な空でした。
「七変化」という別名をもつあじさいは、その名の通り、
咲き始めの淡い黄緑色から青、赤、そして緑へと、色を変えていきます。
この色の変化には、アントシアニンと土壌中のアルミニウムが関係しているそう。
酸性の土壌では青色、アルカリ性の土壌では赤色を示す、そんな自然の仕組みにも改めて感心してしまいます。
さて、あじさいの季節に聴きたくなる音楽といえば、
原由子『あじさいのうた』、離婚伝説『紫陽花』、伊藤咲子『雨傘』など、いくつか浮かびますが、今日の空にぴったりだったのは、サニーデイ・サービスの『あじさい』でした。
イントロから流れるストリングスが、まるで雨粒のきらめきのようで、湿った空気の中に、どこか柔らかい光を差し込んでくれるようなカルテット。
編曲を手がけているのは、名アレンジャー・矢野誠。
子どもの頃から、「このストリングス、きれいだな」と思うと、クレジットに彼の名前があることがよくありました。
アグネス・チャン『雨模様』でも、松本隆の詞と矢野氏の編曲が美しく噛み合い、淡くて切ないストーリーが生まれています。
千葉